歯の健康を維持するためには、毎日の歯磨きだけでなく、歯科医院での定期検診が欠かせません。
しかし、痛みがなければ通う必要がないと考えている人も多いのではないでしょうか。
実際には、むし歯や歯周病は初期段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに進行することがよくあります。
早期に発見し治療を行うことで、治療の範囲を最小限に抑え、健康な状態を長く維持することができます。
この記事では、歯医者の定期検診の適切な頻度とその重要性について詳しく解説します。
目次
■定期検診の頻度
◎基本的な頻度
一般的に、歯科医院での定期検診は3ヵ月に1回のペースが良いとされています。
この頻度は、むし歯や歯周病の進行具合をチェックして、必要であれば処置を行うのにちょうど良い頻度です。
◎口腔内の状態に応じた頻度の違い
定期検診の頻度は3ヵ月が基本になりますが、一人ひとりの口腔状態によって異なることもあります。
例えば、むし歯や歯周病のリスクが高い人は、1ヵ月〜2ヵ月に1回の短い間隔での受診をおすすめされる場合もあります。
一方で、口腔内が健康でセルフケアがしっかりできている人は、半年に1回程度でも問題ない場合があります。
また、矯正治療中の方は、装置の影響で汚れが溜まりやすいため、月1回のメンテナンスを目安にしましょう。
■定期検診が重要な理由
◎むし歯や歯周病の早期発見と予防
むし歯や歯周病は、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。
痛みを感じるころにはすでに進行していることが多く、治療に時間や費用がかかる場合があります。
定期検診を受けていれば、小さな段階でむし歯を発見し治療が可能なため、歯のダメージが少なくて済みます。
また、歯周病は早めのケアを行うことで歯槽骨の吸収(歯を支える骨が溶けて少なくなること)が始まる前に治癒に導くことが可能になります。
◎歯石の除去とクリーニング
毎日丁寧に歯を磨いていても、歯垢(プラーク)や歯石は少しずつ蓄積します。
特に歯と歯肉の境目や、歯ブラシが届きにくい部分に溜まりやすく、放置すると歯周病の原因となります。
歯石は一度ついてしまうと自身の歯磨きでは完全には取ることができないので、歯科医院でのプロフェッショナルケアが必要です。
定期的なクリーニングを受けることで、むし歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことが可能になります。
◎噛み合わせや詰め物のチェック
歯の噛み合わせは、加齢や歯の摩耗、歯ぎしりなどによって変化することがあります。
噛み合わせが悪くなると、特定の歯に負担がかかり、痛みや破折につながります。
また、過去に治療した詰め物や被せ物が劣化していないかを確認することも大切です。
定期検診では、こうした問題がないかをチェックし、必要に応じて治療を行うことで、より良い口腔内環境を維持できます。
◎生活習慣やケア方法の見直し
歯の健康を維持するためには、毎日のセルフケアが欠かせません。
しかし、自己流の歯磨きでは磨き残しがでることもあります。
歯科医院では、磨き残しの傾向を確認し、一人ひとりの口腔状態に合わせた歯磨き方法やフロスの使い方を指導します。
また、食生活や生活習慣についてのアドバイスを受けることで、より効果的にむし歯や歯周病を予防することが可能になります。
【3ヵ月に一回を基本に、個人に合わせて】
歯科医院での定期検診は、3ヵ月~6ヵ月に1回の頻度で受けることが良いとされています。
定期検診を受けることで、むし歯や歯周病の早期発見・早期治療が可能になり、治療の負担を抑えられます。
また、歯石の除去やクリーニングによって、セルフケアだけでは落としきれない汚れを取り除き、健康な口腔環境を維持できます。
さらに、噛み合わせのチェックや詰め物の確認を行うことで、将来的なトラブルを予防できるのも大きなメリットです。
健康な歯を維持し、生涯自分の歯で食事を楽しむために、ぜひ定期検診を習慣にしましょう。