
顎関節症があると、インプラント治療は受けられないのではないかと不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
インプラント治療では、手術中に一定時間お口を開けた状態を保つ必要があるため、顎に不安がある方ほど心配になりやすい治療といえます。
結論からお伝えすると、顎関節症があってもインプラント治療が可能なケースは少なくありません。ただし、症状の程度や顎の状態によっては、治療前に慎重な判断や準備が必要になる場合もあります。
この記事では、顎関節症がある方がインプラント治療を受ける際の注意点について分かりやすく解説します。
目次
■顎関節症とはどのような状態か
◎顎関節や周囲の筋肉に不調が起こる状態
顎関節症とは、顎の関節やその周囲の筋肉に痛みや違和感が生じる状態の総称です。口を開けた時に痛みが出る、顎を動かすと「カクカク」と音が鳴る、口が大きく開かないといった症状が代表的です。
◎原因は一つではない
顎関節症の原因は、噛み合わせ、歯ぎしりや食いしばり、姿勢の癖、精神的ストレスなど、複数の要因が関係していると考えられています。そのため、症状の現れ方や重症度には個人差があります。
■顎関節症があってもインプラント治療は可能か
顎関節症があるからといって、必ずしもインプラント治療ができないわけではありません。症状が軽度で、日常生活に大きな支障がなく、ある程度口を開けられる状態であれば、通常どおりインプラント治療を進められるケースも多くあります。
実際、顎関節症は症状の程度に幅があり、全てのケースが治療の妨げになるわけではありません。重要なのは、現在の顎関節の状態が安定しているかどうか、また手術中に必要な開口量を無理なく保てるかどうかです。
一方で、口を開けると強い痛みが出る、開口障害がある、顎が外れやすいといった症状がみられる場合には、慎重な判断が必要になります。
■口腔外科の視点から見た注意点
◎顎関節への負担を少なく抑える
口腔外科の視点では、インプラント手術中に顎関節へ過度な負担がかからないよう配慮することが重要とされます。
インプラント治療では、一定時間お口を開けた状態を維持する必要があるため、顎関節症のある方では、関節や周囲の筋肉に負担がかかりやすくなります。
そのため、必要に応じて開口を補助する器具を使用したり、無理な開口を避けながら手術を進めたりといった工夫が行われることがあります。
また、治療時間を短縮するために手術工程を調整するなど、顎への負担を抑えるための配慮が重要になります。
◎顎関節症の治療を優先する場合もある
顎関節症の症状が強い場合には、インプラント治療を急がず、まず顎関節症の治療を優先することがあります。スプリント治療によって顎の位置を安定させたり、食いしばりや歯ぎしりなどの生活習慣を改善したりすることで、症状の改善をはかります。
顎の状態が落ち着いてからインプラント治療を行うことで、手術中、手術後の負担を減らし、より安全に治療を進めることが可能になります。
■インプラント治療の視点から見た注意点
◎噛み合わせ設計が特に重要
顎関節症の既往がある方では、インプラントの埋入位置や本数だけでなく、最終的な噛み合わせの設計が非常に重要になります。
噛み合わせのバランスが崩れていると、特定の歯やインプラントに過度な力がかかり、顎関節への負担が増える原因になることがあります。
そのため、噛む力が一部に集中しないよう、全体の調和を考えた設計を行うことが求められます。必要に応じて、噛み合わせの微調整を行いながら、長期的に安定した状態を目指します。
◎治療後の経過観察とメンテナンス
インプラント治療は、手術が終われば完了というものではありません。
治療後の噛み合わせの変化や、顎の違和感、顎関節症の症状の再発などを早期に確認するためにも、定期的な経過観察とメンテナンスが欠かせません。
特に顎関節症の既往がある方では、治療後の小さな変化を見逃さず、必要に応じて調整を行うことが、インプラントを長く安定して使うための重要なポイントになります。
【顎関節症があってもインプラント治療は可能なことが多い】
顎関節症があっても、状態が安定していればインプラント治療を行えるケースは多くあります。大切なのは、現在の顎の状態を正確に把握し、口腔外科的な視点とインプラント治療の視点の両方から総合的に判断することです。
症状や状態に合わせた治療計画を立てることで、顎への負担を抑えながら、安心して噛めるお口の環境を目指すことができます。
顎関節症の治療にも対応しておりますので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。




