口を開けたときに「カクッ」と音がする、顎がガクガクして動かしにくい、あるいは口を大きく開けられない、というような症状に心当たりはありませんか?
これらのことが起こる方は、顎関節症の可能性があります。
多くの人が抱える問題でありながら、正しい対処法を知らないと放置してしまう方も少なくありません。
この記事では、顎関節症の原因や症状、治療方法、受診すべき診療科について詳しく解説します。
目次
■顎関節症とは?
◎顎関節症の概要
顎関節症は、顎の関節やその周辺の筋肉に問題が生じることで、口を開閉する動作に支障をきたす疾患です。
多くの場合、顎関節や咀嚼筋の障害として、痛みや音、運動制限といった症状が現れます。これらの症状は、放置することで日常生活に支障があったり、悪化したりする可能性があります。
◎どれくらいの人がかかるのか
顎関節症は年齢や性別を問わず発症しますが、特に20代から40代の女性に多い傾向があります。
噛み合わせやストレス、顎の周りの筋肉の発達具合などが関係しています。
様々な原因が重なって起こるため、顎関節症の原因については、原因がたくさんある「多因子説」という考え方をします。
■顎関節症の主な症状
◎顎が音を立てる
顎を動かすときに「カクッ」または「パキッ」という音がする場合、顎関節症の可能性があります。
この音は、顎の関節内で関節円板と呼ばれる構造が正常な位置からずれていることが原因です。
◎口を開けにくい
口を大きく開けた時に指が3本縦に入らない場合は、顎関節症だと考えられます。
顎関節や筋肉に負荷がかかることで、可動域が制限されるのが原因です。
◎顎周辺の痛み
顎関節の痛みがある、または顎の関節だけでなく、耳の前やこめかみ、首にまで痛みが広がる場合、顎関節症と考えられます。
■顎関節症の原因
◎噛み合わせの異常
噛み合わせが良くない場合、顎関節や筋肉に余計な負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性があります。
◎ストレスと筋肉の緊張
精神的なストレスは、無意識のうちに歯の食いしばりを引き起こすことがあります。
顎周辺の筋肉が緊張することで、症状が悪化することがあります。
◎負荷をかける
硬い食べ物を頻繁に噛む、片側だけで咀嚼するなど、顎に負担をかける行動が顎関節症を引き起こす場合があります。
また、頬杖をつくことで下顎に負荷がかかり、噛み合わせがずれることで顎関節症の原因となることもあります。
◎外傷や怪我
転倒や事故などによる顎への衝撃で顎関節やその周辺組織を損傷し、顎関節症の症状を引き起こすこともあります。
■顎関節症の治療法
◎セルフケアの方法
軽度の顎関節症であれば、顎に負担をかけない食生活や、ストレスを軽減する方法などが効果的です。
また、姿勢を正しく保つことも重要です。
◎歯科での治療
歯科では、スプリントと呼ばれるマウスピースを使用することで顎関節への負担を軽減します。
夜間の歯ぎしりがある場合も、スプリントは有効です。
また、噛み合わせの調整や歯科矯正が行われることもあります。
◎理学療法
筋肉の緊張を和らげるために、マッサージやストレッチなどの理学療法が良いケースもあります。
■顎関節症が疑われたら何科を受診すべき?
顎関節症の診察は、歯科でも可能です。
症状によっては耳鼻咽喉科や整形外科、場合によっては心理的なカウンセリングを紹介されることもあります。
まずはお近くの歯科医院に相談してみましょう。
【比較的身近な疾患である顎関節症】
顎関節症は、顎の音や痛み、運動制限など、日常生活に影響を与えるさまざまな症状を引き起こします。
その原因は噛み合わせやストレス、外傷など多岐にわたります。
顎に不快感がある、口が開けにくいなどの場合は、早めに歯科で相談することをおすすめします。