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片側ばかりで噛む癖に気づいたときに
硬いおかずを、無意識に片側で噛んでいる。歯が重なった所を磨くと、歯ぐきから血が出る。そんな日常の変化から、歯並びについて調べ始める方もいます。この記事では、口の中への影響と顎への負担、肩こりとの関係がどこまで分かっているかを整理します。そのうえで、受診の目安と診察で伝えたい症状をまとめました。
この記事の要点まとめ
- 歯が重なった部分は汚れが残りやすく、噛みにくさや歯ぐきの出血には複数の要因が関わることがあります。
- 肩こりや頭痛を歯並びだけの原因と決めず、顎の症状や発音、睡眠の悩みも分けて相談しましょう。
- 出血が続く、片側でしか噛めない、歯がぐらつく場合は歯科で検査を受け、矯正は方法や費用、期間を確認して検討します。
歯並びが悪いと、まず口の中にどんな影響が出る?

硬いものを片側で噛むときに考えたいこと
歯の当たり方に偏りがあると、噛みやすい側に食べ物を運ぶ癖がつくことがあります。ただ、片側噛みの理由は歯並びだけではありません。むし歯の痛みや歯のぐらつき、合わない詰め物でも同じことが起こります。歯並びの乱れが、噛みにくさなど口に関わる生活の質と関係することは研究でも報告されています1。一方で、噛みにくさが消化にどこまで響くかは、食事内容や体調によっても変わります。一律には判断できない点を押さえておきましょう。
重なった歯の磨き残しと、むし歯・歯周病
歯が重なった部分は毛先が届きにくく、歯垢が残りやすい場所です。歯垢はむし歯や歯周病の原因になるため2、歯間ブラシやデンタルフロスを組み合わせると汚れを落としやすくなります。とはいえ、歯並びが乱れていれば必ずむし歯や歯周病になる、というわけではありません。日々の歯磨きや定期的なクリーニングによって差が出ます。最初の一歩は、自分の磨きにくい場所を知ることです。
歯ぐきの出血は歯並びだけで説明できない
磨いたときの出血は、多くの場合、歯ぐきの炎症のサインです。歯周病の初期は痛みが少なく、出血だけが目立つこともあります3。歯並びの影響で汚れが残っている可能性はありますが、歯石の付着や体調、服用中の薬が関わる場合もあります。出血を繰り返す、歯がグラグラする感覚もあるといったときは、歯周病の検査で原因を確かめておくと安心です。
顎の負担と肩こり――歯並びの全身への影響はどこまで分かる?
顎が痛い・音がする場合は噛み合わせ以外も確認
片側ばかりで噛んでいると、顎の疲れや違和感を覚えることがあります。ただ、顎関節の症状には食いしばりや歯ぎしり、ストレス、姿勢など複数の要因が重なると考えられています4。噛み合わせだけで説明できるとは限りません。口を大きく開けたときに出るのか、朝起きたときに出るのか。症状が出る動作や時間帯を記録しておくと、診察で原因を絞り込む手がかりになります。
肩こりや頭痛を歯並びのせいと決めつけない
歯並びの乱れと肩こりが同時にあっても、そこに原因と結果の関係があるとは限りません。歯並びと口に関わる生活の質の関係を調べた研究はあるものの15、肩こりや頭痛の改善を示す根拠ではない点に注意が必要です。噛み合わせを長く学んできた院長の立場から見ても、肩こりの原因を歯並びだけに求めるのは慎重であるべきと考えています。症状が長引くなら、整形外科や内科など、ほかの診療科への相談も視野に入れてください。
発音・呼吸・睡眠への影響も一人ひとり異なる
歯のすき間や前歯の位置によっては、サ行が言いにくいといった発音の困りごとが出ることがあります。いびきや眠りの浅さ、口呼吸はどうでしょうか。こちらは鼻の状態や体格なども関わるため、歯並びだけでは説明できません。気になる症状は一つにまとめず、分けて伝えたほうが相談先を判断しやすくなります。
出血や噛みにくさがあるとき、歯科を受診する目安
出血が続く・片側でしか噛めないなら相談を
歯磨きのたびに出血する状態が続いている。片側でしか噛めない日が続いている。顎の痛みで食事がしにくい。こうした状態なら、歯科医院で一度確認しておくと安心です。歯ぐきが大きく腫れている、発熱を伴うといったときは、予定を待たずに早めの受診を検討してください2。
歯やブリッジがグラグラするときは自分で抜かない
グラグラする歯の治療は、歯周病の進み具合や噛む力、歯の根の状態によって変わります。隣の歯とつないで固定する方法が検討されることもありますが3、適応や費用は処置内容や保険適用の有無で異なります。大人が自分で抜いたり、接着剤などで固定したりするのは避けましょう。ブリッジが揺れる場合や、抜歯後に尖ったものが舌に触れる場合も、そのままにせず相談してください。
診察で伝えたい症状と、確認したい検査内容
受診前に、次の点をメモしておくと伝え漏れを減らせます。
- 噛みにくい側と、噛みにくい食べ物
- 出血する場所と頻度
- ぐらつく歯の有無
- 顎の痛みや音が出る場面
診察では、歯ぐきの検査、むし歯の有無、噛み合わせの確認などを行い、必要に応じてレントゲンも撮影します。何を調べるのか、その場で尋ねてかまいません。
あま市で歯並びを相談するときに確かめたいこと
出血の確認と歯並びの相談、どちらから始める?
迷ったときは、いま一番困っている症状から伝えてください。歯ぐきに炎症がある場合は、その治療を先に進めるのが一般的な流れです。相談したからといって、矯正が決まるわけではありません。診察の結果について説明を受けたうえで、進め方を歯科医師と一緒に考えることが大切です。
矯正を検討するなら方法と適応を確認
マウスピースによる矯正とブラケット矯正では、歯並びの状態によって検討すべき点が変わります。歯の動かし方によっては結果に差がみられたという報告もあります6。全体の矯正は公的医療保険が使えない自由診療です。一般的な目安として、歯を動かす期間はおおむね1〜3年程度、通院は1か月に1回程度(マウスピース矯正では1〜3か月に1回程度の場合もあります)とされています。費用は、検査・装置・調整料などを含めた総額で60万〜130万円程度が一般的な相場です。歯を動かしたあとも、後戻りを防ぐための保定装置を使う期間(数年程度)があり、その間も数か月に1回程度の通院が必要になります。一般的な費用相場は当院の費用ではありません。実際の費用は医療機関により異なります。当院の費用・期間・回数は、診察のうえでご案内します。痛みや歯ぐきの下がり、後戻りといったリスクも含めて説明を受けておきましょう。
仕事や子どもの予定に合わせた通院の相談
あま市で働きながら子育てをしている方は、通院回数や1回の所要時間、全体の見通しを最初に尋ねておくと予定を組みやすくなります。衛生管理が気になるなら、器具の滅菌方法を聞いてみるのも一つの方法です。ごとうデンタルクリニックには、高圧蒸気滅菌器、小型高圧蒸気滅菌器、口腔外バキュームを設置しています。
よくある質問
Q. 歯並びが悪いと体にどんな影響がありますか?
A. 分かっている影響の多くは口の中のものです。磨き残しが増えやすいこと、噛みにくさを感じやすいことなどが挙げられます。肩こりや頭痛などの全身症状の原因と言い切れる根拠は限られているため、ほかの要因も含めて確認することをおすすめします。
Q. むし歯や歯周病は全身に影響しますか?
A. 歯周病については、糖尿病などの全身の病気との関連が報告されています。歯ぐきの出血が続く場合は、お口の健康管理の一つとして早めに検査を受けると安心です。
Q. 歯並びが悪いと、どこから悪くなりやすいですか?
A. 歯が重なった部分や、歯と歯ぐきの境目に汚れが残りやすい傾向があります。ただし、セルフケアや定期的なクリーニングの状況によって個人差があります。
Q. 歯並びが変わると顔が変わるというのは本当ですか?
A. 口元の形には、歯の位置だけでなく骨格や筋肉も関わります。変化があるかどうか、その程度はどのくらいかは人によって異なるため、一概には言えません。気になる点は診察時に相談してください。
Q. グラグラする歯を固定する費用はどのくらいですか?
A. 保険診療で行われることもありますが、ぐらつきの原因や固定する範囲、併せて行う歯周病治療の内容によって変わります。まずは診察でぐらつきの原因を確かめ、そのうえで費用の説明を受けてください。
参考文献
1. Göranson E, Sonesson M, Naimi-Akbar A, et al. Malocclusions and quality of life among adolescents: a systematic review and meta-analysis. Eur J Orthod. 2023. PMID: 36995692 / DOI: 10.1093/ejo/cjad009
2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth
3. 日本臨床歯周病学会 https://www.perio.jp/
4. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/
5. James A, Janakiram C, Meghana RV, et al. Impact of oral conditions on oral health-related quality of life among Indians: a systematic review and meta-analysis. Health Qual Life Outcomes. 2023. PMID: 37653527 / DOI: 10.1186/s12955-023-02170-6
6. Baneshi M, O'Malley L, El-Angbawi A, et al. Effectiveness of clear orthodontic aligners in correcting malocclusions: a systematic review and meta-analysis. J Evid Based Dent Pract. 2025. PMID: 39947778 / DOI: 10.1016/j.jebdp.2024.102081
東海高校卒業
福岡県立九州歯科大学卒業
医療法人社団マウデントにしわき歯科(岐阜県垂井町)にて
多岐にわたる治療を学び研鑽を重ねる
2011年4月13日、あま市七宝町にごとうデンタルクリニック・おとなこども矯正歯科を開院
2017年10月、医療法人 愛和会設立
2017年11月、メインテナンス専用ルームとセミナールームを増築
日本顎咬合学会認定医(かみ合わせ認定医)
POD勉強会、SSRG、TNG、PGI名古屋
【所属学会】
日本顎咬合学会
日本口腔インプラント学会
日本歯周病学会
日本臨床歯周病学会




